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内藤秀因記念第23回水彩画公募展 受賞作品決定!!(令和2年11月16日掲載)

20201117日 更新

 郷土が生んだ画家、内藤秀因画伯の偉業を称え永くその功績を顕彰するために、平成10年度から開催している内藤秀因記念水彩画公募展ですが、今年度で23回目を迎えました。

 今年度は、一般の部41点、中学生の部116点、小学生の部730点が集まりました。多数のご応募をいただきありがとうございました。

 10月上旬に審査会を実施し、入賞作品49点、入選作品93点が決定しました。作品展を開催いたしますので、ぜひ力作をご覧ください。

 長らく本公募展を開催してまいりましたが、内藤秀因水彩画記念館等の整備事業に伴い一時休止する運びとなりました。これまで多くの方々からご出品いただきましてありがとうございました。


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主催者挨拶

 庄内町名誉町民である故内藤秀因画伯は、画家としてその生涯をキャンバスに向かって過ごし、国内外各地に出掛け精力的に制作し、また、後輩の指導にも取り組みました。
 堅実な写実主義を基調とし、格調の高い重厚で迫力のある作風は、水彩画壇で定評があり、また、日本水彩画会の最高責任者として、日本画壇の振興に尽くされました。
 内藤秀因画伯の遺作は、本町に寄贈され町の宝として、庄内町内藤秀因水彩画記念館において常設展示され、今も人々に親しまれております。
 私達は、内藤画伯の偉業を称え、その功績を顕彰するため、多くの方々の創作活動をとおして、内藤画伯が愛した「水彩画」を発展させていきたいと願い、平成10年度に「第1回内藤秀因記念水彩画公募展」を開催し、今年で23回目の開催を迎えることとなりました。
 今年も3名の審査員の先生方により、公正かつ厳正な審査が行われ、入賞・入選作品132点が選ばれました。受賞されました皆様には心より御祝いを申し上げます。
 今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大が心配される中、制作に取り組んでいただきましたことは大変ありがたく、また、皆様の「水彩画」に対する愛情や情熱が感じられる素晴らしい作品が寄せられましたことに、主催者として大変うれしく思う次第です。
 本公募展は、町立図書館と内藤秀因水彩画記念館のリニューアルに伴い、今回を持ちまして一時休止することとなりました。これまで長きにわたり多くの方々から御出品いただきました事に、心から感謝申し上げます。
 結びに、この水彩画公募展の開催にあたり、御応募いただきました皆様、膨大な作品の審査にあたっていただきました審査員の先生方、庄内水彩画会の皆様及び関係各位に心から感謝と御礼を申し上げ、御挨拶といたします。

審査員

佐藤 光治 氏  ( 日本水彩画会会員、日本水彩画会庄内支部長 )
木原 正徳 氏  ( 東北芸術工科大学副学長、二紀会委員 )
田中 寛司 氏  ( 日本水彩画会会員、日本水彩画会山形県米沢支部長 )

審査員による全体講評、入賞作品講評

審査員講評 (一般の部、中学生の部、小学生の部)PDFファイル(491KB)

◆一般の部(高校生含む)  審査員 : 木原 正徳 氏

 年明けから世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスと、それに伴い蔓延していく社会の不安。マスクが手放せない不自由な生活の中で、人々は集団と個の関係、そして距離感を改めて見直さざるを得ない状況になりました。
 そんな中、一人画面に向かい絵を描く行為は、萎えそうになる気持ちを奮い立たせてくれます。静かに風景や対象と向き合う時間はかけがえのないものだと思います。今回の出品作はそんなことを感じさせる作品が多く、このような状況の中、例年とほぼ変わらぬ出品数に頼もしさを感じました。
 一般の部の出品点数は41点。まず高校生の出品作の中からロータリークラブ賞を選考し和久井慶さんに決定。その後高校生を含めた40点を対象に慎重な協議を重ね19点の入選を確定、その中から賞候補7点の選出。上位3賞は展覧会が今回で最終回ということを踏まえながらも審査員の意見はそれ程食い違わず、内藤秀因記念大賞には鈴木幸治さん、庄内町長賞は玉川浩嗣さん、教育委員会賞は齋藤直巳さんに決定。以下優秀賞には西田敏昭さん、佐藤結さん、後藤文雄さん。惜しくも大沼四郎さんが賞から外れました。
 審査が終わってみれば、この水彩展の区切りにふさわしい作品達が受賞及び入選に選ばれたと思います。
  コロナ禍の中、内藤秀因記念水彩画公募展は静かに幕を下ろします。この公募展が果たした役割は大きかったと思います。これまで展覧会を盛り上げ育てて下さいました庄内町長様はじめ関係者、および出品者の皆様に心から御礼申し上げます。近い将来姿を変え、芸術文化活性と子供達の情操教育に向けて新たな内容と形で再開されますことを心からご期待申し上げます。

一般の部 審査員講評PDFファイル(115KB)

◆中学生の部  審査員 : 佐藤 光治 氏

 今年の応募作品数は、116点(昨年は318点)で202点の減でした。応募校は16校(昨年は24校)で8校の減でした。これは、新型コロナウイルス感染症の影響でしょう。
 しかしながら、内容は昨年と遜色ない立派な作品が集まりました。3名の審査員で116点の中から入選以上の作品を46点選び、厳選に厳選を重ね上位5賞が決定しました。16点が優秀賞、優良賞として選出されました。入選、入賞出来なかった作品の中には、紙一重で惜しい作品が数多くありました。
 最後の公募展となりましたが、長い間ご協力ご努力くださった各学校の校長先生、美術教師のみなさん、生徒のみなさん、関係者のみなさん、ご両親、ご家庭のみなさん、大変お世話になりました。ありがとうございました。世の中は、芸術で溢れています。これからも芸術を愛し、楽しんでいきましょう。

中学生の部 審査員講評PDFファイル(173KB)

◆小学生の部  審査員 : 田中 寛司 氏

 今年はコロナ禍のため学校も大変な年なのに、たくさんの作品を寄せてくださりありがとうございました。
 こどもたちの絵を審査して楽しいのは、こどもたちの素直で自由な表現を見ることができるからです。
 小学校からの出品はほとんどが学校の授業で描いたものだと思います。今年は学校で友だちとたくさん話をしたり、のびのびと遊んだりすることが難しいと聞いています。そんな中、図工の授業でのびのびと絵を描くことは大変だったと思います。そのせいか、全体的にはおとなしい作品が多かったと感じました。それでも、入賞 ・ 入選した作品はこれまでとくらべても魅力的な作品ばかりでした。
 音楽で歌を歌ったり、体育で思い切り体を使って運動したりすることが、どれほど子どもにとって大切なことか今年は思い知らされたと思います。同じように、何かを見たり体験したりして感動したことや、自分の考えを一枚の絵として描き上げることは人間にとってかけがえのないことだということもよくわかりましたね。

小学生の部 審査員講評PDFファイル(223KB)

入賞作品

各部門の講評は、上記審査員が行っています。  絵をクリックすると大きく表示されます。

内藤秀因記念大賞

一般の部

 「陽光のかけら」  鈴木 幸治(酒田市)

 鬱蒼とした森の中。流れる水の音とそこに苔むす石の連なり。樹々の葉の隙間からまだら状に陽光が射す静かで透き通った情景を、的確な筆致と瑞々しい色彩で描いています。
 やや上から俯瞰した構図により、画面いっぱいに川の流れとゴロゴロとした大地を満たし、左上にわずかに抜けを作ることによって見る人の視線を静かに奥に誘っていきます。どこか時間が止まったかのような澄んだ空気を感じさせる作品で、大賞にふさわしいと思います。 

中学生の部

「父といふ職人」
 諏訪 悠斗(米沢市立第一中学校 2年)

 小学6年生の時の神社の絵と藍染めの仕事をしているお父さんの絵で、内藤秀因記念大賞はこれで2度目ですネ。
 お父さんへの尊敬と誇り、感謝の心が伝わってきます。お父さんのDNAをしっかりと受け継いでいるのですネ。観ている人の感動を呼び起こす大賞にふさわしい素晴らしい作品となりました。

小学生の部

「昔ながわの酒蔵」
嶋﨑 芽依(庄内町立余目第三小学校 6年)

 毎日の生活でなにげなく見ている風景でも、いざ絵に描いてみるといろんな発見があります。ていねいに仕上げられたこの作品もそんな作者の気づきが良くわかります。
 板べいやかわら屋根をよく見てしっかり描いています。白壁に落ちたひさしの影にも気づいて気持ち良いグレーで描かれています。
 絵全体の中で、木と緑が変化をつけているし、オレンジ色のカーブミラーがアクセントになっています。

庄内町長賞  (一般の部、中学生の部、小学生の部)

「庄内」
 玉川 浩嗣
 (宮城県気仙沼市)

 一点透視のシンプルな構図をとっていますが、そのことによって非常に象徴的な作品になっています。遥か彼方に吸い込まれるように続く水田と、眼下に見下ろす前景の対比の表現が巧みです。刈り取られた水田の様が非常に丁寧に観察し描かれており、大地と光の迫真的なリアリティーとスケール感を感じさせる優れた作品です。     

「新緑の湖」
鈴木 大虎 
(飯豊町立飯豊中学校 1年)

 手前の暗い地面と木々と杭の向こうに明るい風景が広がる良い構図です。多くの緑色の作り方、使い方には感心してしまいます。湖の水面を渡って来る爽やかな風を感じさせてくれます。自然豊かな地に住んでいるからこそ、生まれた風景画だと感じました。

「それ!できたよ。ぶたの丸やき」
庄司 光
(米沢市立三沢西部小学校 4年)

 題名が楽しい。放課後か休み時間に友だちと校庭の鉄棒で遊んでいて、人間が鉄棒にぶら下がっている様子を、「ぶたの丸やき」にたとえて言えるなんてすばらしい発想です。絵本やテレビで見たことを思い出したのでしょうか。体育の授業で鉄棒の練習していては思いつかないでしょう。子どもは遊ぶことで発想が豊かになりますね。人の衣服や運動靴の裏の模様までていねいに描かれ、校庭の木も複雑な根っこの様子までしっかり描いています。頭やおしりが欠けるくらい人を大きく描いたことで絵全体がダイナミックな感じになりました。

教育委員会賞  (一般の部、中学生の部、小学生の部)

「喜びの唄・愛する父よ必ず住保う」
齋藤 直己
(山形市)

 非常にユニークかつマニアックな作品で、作者のこだわりが十分に感じられる作品です。登場してくる人や鳥たちも何かを演じているかのような、まさに物語の一コマのような世界。早く次のページを見たくなるようなワクワクした衝動に駆られます。画面の隅から隅まで配慮が行き届き、樹々の筆致も美しく、濃密な色彩にも作者の思いと息遣いが感じられます。額にキジの羽が使われていますが、全く違和感がなく作品をより引き立てています。

「渓谷の流れ」
髙橋 愛描
(飯豊町立飯豊中学校 3年)

 ダイナミックな水の流れとそれに答える岩、山々の造形美が胸に迫って来ます。鋏で切ったような独特な塗り方と色彩、形に凄い才能を感じさせ、不思議な絵の世界をみせてくれました。将来、芸術とどんな関わりを持った人生を歩んでいくのか気になります。

「かべを こえろ!」
長岡 花
(朝日町立大谷小学校 6年)

 空の面積を思い切って広くした大胆な構図が印象的です。題名から想像すると、この屋外の練習場でバスケットボールのきびしい自主練習を重ねたのでしょうね。暑い夏の日にひたいの汗をぬぐいながら空に浮かぶリング見つめ、「かべをこえろ!」と自分に言い聞かせながら何度も何度もシュートの練習をした作者の姿が想像できます。練習しているようすが描かれていなくても、この絵を見る人はその姿を想像できるのです。描きたいことを直接描かずに表現できるなんてすばらしい作品ですね。

東北芸術工科大学賞  (中学生の部、小学生の部)

「静かな寺」
渡辺 祐規
(鶴岡市立第二中学校 2年)

 普通、五重塔は全体を描く人が多いと思いますが、この作品は2階までとし重さ、大きさ、荘厳さを感じさせる絵となりました。風景の構図の切り取り方が成功した作品で絵が大きく見え、更にのびのびした筆法で人柄が分かるような気がします。

「たまごから生まれた鳥たち」
菅原 央雅
(庄内町立立川小学校 2年)

 たまごからいろんな色の鳥が生まれていますね。黒い鳥、茶色の鳥、黄色の鳥、緑の鳥、にじ色の鳥もいますね。たまごのもようはあざやかですが、まわりの色は少しくすんでいるのでたまごと鳥たちが良く目立ちます。よく見ると骨のようなものもあり、思いつくものをのびのびと描いたたのしい絵になっています。

ロータリークラブ賞  (一般の部、中学生の部、小学生の部)

「父の背中」
和久井 慶
(米沢中央高校 3年)

 窓から入る明るく白い光を浴びながら、お父さんが一心に作業に打ち込む姿を丁寧に描いています。作業場の混沌とした空間も節度のある色彩とタッチで表現していて、作者の誠実さと理知的な姿勢が伺われます。高校生としては素晴らしいレベルの作品です。思春期でありながらも父に寄せる思いが詰まった素晴らしい作品だと思います。

「全部が青の世界に行ってみませんか?」
菊地 舞
(朝日町立朝日中学校 1年)

 銀世界の夜は、星も見えず暗く木々は霧氷で道は凍てつき、防寒着を来た若者達が歩いていきます。自分の人生のこの先の将来はどうなるのか不安を抱えながらも、きっと温もりのある明るい希望、夢が待っていると信じてひたすら寒さに耐えて進む姿をうたいあげています。

「きれいなオーロラ」
福嶋 徠夢
(山形市立第九小学校 5年)

 実際に旅行に行って見た来たのでしょうか。それともテレビの番組で見たのでしょうか。どちらにしても、オーロラの美しさに感動したことが水彩絵の具でうまく描かれています。水彩絵の具でオーロラの微妙な色や形の変化をこれほど美しく描くのはとても難しいことです。下の方の海面に反射しているところも気を抜かずきちんと描いていますね。画面左下に岩山のような形を黒で描くことで、オーロラの美しさをぐっと引き立てています。

優秀賞

一般の部

「神秘の泉(丸池様)」
西田 敏昭
 (山形市)

 鬱蒼と樹々が覆いかぶさる池の様子を軽快な色彩と巧みな筆致で描いています。明るく白い日差しがもつれ絡まり、池に映り込んだ樹々と相まって複雑な情景を描き出しています。表現上の偶然性をも味方につけながら新鮮でキレのある作品になっています。

「樹間の密約」
佐藤 結
(宮城県仙台市)

 赤く象徴的な花を頭につけた女性。その女性と大振りの葉をつけた樹が画面上で絡まり、どこかミステリアスで象徴的な空間を作り上げています。黒く焦がした地の板を背景に、あたかも樹や女性が光をまとっているかのようです。作品サイズが二回り程大きければ、もう少し上位の賞になったと思います。

「赤いくつ」
後藤 文雄
(酒田市)

 赤い靴を前にすっくと立つ女性。ブルーを基調とした真摯で誠実な作画姿勢に好感が持てます。背景の表現も積極的で、人物とも豊かに連動しています。審査後、以前大賞を受賞した方だと確認しました。年齢を重ねられても画学生のような気持ちで画面に謙虚に向き合おうとする姿勢、そして瑞々しい感性は素晴らしいと思います。前を向いて凛と立つ女性と作者が重なって見えます。

中学生の部

「黄昏時」
遠藤 香春
(朝日町立朝日中学校 2年)

 長くも儚い一日も終わり、辺りは暗闇に包まれていきます。今日一日の辛い悲しく涙したことも楽しかったこともやがて闇の中に流れ消え去り、明日は良い日であるように祈りたくなります。感傷的になって空を見つめているそんな情景に身を置いている自分が愛おしくなる素敵な作品です。

「初夏にそよぐ」
海野 花歩
(朝日町立朝日中学校 3年)

 とても良く見ているし、感心することがあります。これは、大人でも気付かない大切なところです。一つは、明るい空の前の桜は暗く見えるし、暗い背景の山々の前は明るく描いている。木々は空の方へ暗く、地面に近い方は明るく描いています。二つ目は、桜の花を空に溶け込ませやわらかい優しいムードを出していることです。ほっこりします。

「雨の日の追憶」
佐藤 詩緒梨
(酒田市立第三中学校 3年)

 記憶の中の情景を作品としたある雨の日の一日。省略された人物のフォルムが洒落てセンスがあり、軽快な絵となり成功しています。傘を差して歩く人や雨宿りしている人の色彩が美しく、やわらかで夢の中にいるようです。街並みによって、奥行きが出て良かったです。

「悠久の流れ」
安部 悠希
(飯豊町立飯豊中学校 1年)

 川が上手い。家が上手い。向こう岸から遠い山々にかけての緑の変化が上手く描けています。もっと良くする為には、山々の雪が目立つように空を少し暗くすること。右の岸の木々と左手の岸の木々をはっきりさせる為、右手の岸の木々を暗くすると100点満点になります。やってみてくださいネ。

「朝の散居集落」
船山 諒
(飯豊町立飯豊中学校 3年)

 この作品の魅力は、遠近感と広々とした風景です。遠く霞んだ山と村々、そして手前の暗い森、林や村々が点在し、とても気持ちが良い。朝霧の中の集落の色と形の変化、遠くまでまた横へ広がっている様子が良く描けています。川と橋がスパイスになっています。

「飯豊山麓の春」
鈴木 閃太
(飯豊町立飯豊中学校 2年)

 遠くへいくにしたがって、木々が山々が青色へと変化しています。大らかなタッチが心地よく、家々も簡略されているのがとても良い。飯豊は自然豊かで、絵を描くのも楽しいことでしょうネ。郷土への愛が伝わってきます。山の白い雪を目立つように空を濃く描くと、もっと良い作品に仕上がります。

「下からのきれいな景色!」
志田 奈々佳
(鶴岡市立第二中学校 2年)

 黒い暗い建物が斜めに上へ上へと伸びており、その隣に霞んだ塔が建っている。まだ、登らない前から、その高さで目がクラクラしそうです。斜めに描いた構図が人の目をひき、印象強い絵になりました。発送の豊かさに驚きました。

「大切な人に、思いを込めて」
古川 祐来
(山形大学附属中学校 3年)

 鮮やかな色彩で塗った絵が多い中で、あえて茶と青で描いたこの作品は、逆に新鮮に見えます。お婆さん、お父さん、お母さん、家族皆が仲睦まじく大変羨ましい良い記念の絵となりました。顔の表情も良く見て特徴を捉えていて、ほのぼのとした感じが伝わってきます。

小学生の部

「ぼくと虫と 夕涼み」
本間 湊斗
(鶴岡市立西郷小学校 1年)

 きっと虫が大好きなのでしょうね。あつい夏の日でも夕方にはすこし涼しくなってきます。ひるまはセミが元気よくなきますが、夕方からは秋のけはいを感じさせるコオロギなどの虫たちがすずしげな声でなきはじめますね。そんな気持の良い夕涼みのようすが、作者本人のたのしそうな顔とたくさんの虫たちでよくわかります。家もかいてあるので、おうちの庭のようすかな?夜の色が少しくすんだ青なので、むし暑い日本の夏の夜の色ですね。ぜんたいの形も大きな虫のようにも見えますね。のびのびとえがかれたたのしい絵です。

「トウモロコシとわたし」
大槻 藍子
(河北町立谷地中部小学校 2年)

 作者の家のトウモロコシ畑のようすでしょうね。たぶん写真に撮ってもらったので本人がいますね。その場所で描くことも良いのですが、このように写真を取ってもらうと自分も描くことができておもしろい作品になります。トウモロコシはよく観察していてしっかり描かれています。特に実の部分のうすい皮のスジや食べごろをしめす茶色くなったヒゲの様子が良くわかります。作者が「もう食べごろだから早くもいで食べよう!」と思っている自分を描いたのでしょうね。上の方の太陽も真夏の暑さを感じさせます。必要なものだけ描いているのでとても印象深い作品になりました。

「ぼくのカブトムシ」
加藤 優和
(河北町立谷地中部小学校 3年)

 作者が飼っているカブトムシでしょうね。2匹飼っているのでしょうが、オスにはツノがあってかっこいいから主役にして描いたのですね。オスは体全体で木にしがみつき、メスはゼリーのえさをなめている。日ごろから2匹のカブトムシのようすをしっかり見ているから描けるのです。絵全体の組み立てとしても、オスは全身を描き、メスは腹部を描いていない。2匹とも全部描いたら当たり前でおもしろくない絵になったでしょう。奥の細い枝のかたむきが太い枝と違うところも良かったと思います。

「夕ぐれ」
杉浦 えり子
(河北町立谷地中部小学校 6年)

 まるで中学生の作品のようにしっかり描かれた風景画です。題名にあるように夕ぐれの空と雲が淡く微妙な色彩で描かれています。木や草の緑は暗くくすんだ感じにしたことで空の美しさが引き立ちました。山の明るく灰色がかった中間の調子が全体の色調をうまくまとめています。手前から奥に伸びる道路が、見る人の視線を夕暮れの空に引っ張っていくので、一層描きたい主題がわかりやすくなってます。青い標識や街灯、右手前のガードレールなどの硬い感じの人工物が、柔らかい風景の中にアクセントをつけていますね。

「春風からのおくりもの」
島扇 乙葉
(米沢市立三沢西部小学校 4年)

 題名が詩的です。クローバーを見つけて、それを「春からのおくりもの」なんて言えるなんて、感受性が豊かな作者ですね。雪国に住んでいる人たちは春はとても待ち遠しいものです。雪がどんどん消えていったり、春の花が咲いたり、いろんなことで春を感じますが、日常のちょっとした感動やおどろきをこのように絵に描けることはすばらしいことです。人物を画面からはみ出るくらいの大きく描いたことで、作者の表したい気持ちがよくわかる絵になりました。自分の家でしょうか、まわりのようすもていねいに描いていますね。

「げきドラゴン」
佐藤 剣心
(庄内町立余目第三小学校 2年)

 ギザギザもようの派手なたまごからドラゴンがバーッと生まれ出たようすですね。たまごが大きく描いているし、まわりにもカミナリの光のようなもようやオレンジ色に光るロケットのようなものが描かれていて迫力がある絵になりましたね。「こうかきたい!」というきもちがよく表現されている絵です。

「オバケがうたっておどるオバダンス」
髙橋 瑠那
(庄内町立余目第三小学校 2年)

 オバケのもようのたまごから、たくさんのオバケが生まれていますが、色とりどりの音符もありますから、こわいオバケではなく、ダンスが好きな楽しいオバケたちですね。こわいような楽しいような曲が絵から聞こえてきそうです。

「赤い海」
渡部 善
(庄内町立余目第三小学校 4年)

 たくさんの海の生き物が左上の方に向かっていっせいに泳いでいますね。海は青っぽい色で描くのが普通ですが、赤い海にしたのは、人間が海を汚していることを訴えているのでしょうか?たくさんの海の生き物をていねいに描いているので、大好きな海の生き物が困っていることを描きたくなったのでしょうね。

優良賞

中学生の部

「一本松の影」
渡辺 陽人
(朝日町立朝日中学校 2年)

 発想、着眼点が大変素晴らしく、大きな松の木を下から見上げて描いた迫力ある絵です。完成するまで首が痛くなりませんでしたか?最後まで描ききり、その忍耐力は努力賞ものです。これからも風景をいろいろな視点、角度から描いてみてください。

「きれいなコスモス 見-っけた!」
奥山 姫乃
(寒河江市立陵西中学校 1年)

 可憐な花は、女の子なら誰でも大好きです。秋になると途端に花の数が少なくなるような気がします。そんな風景の中で見つけたコスモスの花に喜びが湧いてくる一瞬を描きあげました。本当に素敵な絵で、飾っておきたいくらいです。

「秘密の場所」
渡邊 日向
(寒河江市立陵西中学校 3年)

 朝焼け、夕焼けは世界中のどこでも人気のスポットとなっています。ビルや家々で邪魔されない雄大な自然の中の特別な自分だけの秘密基地を持っているなんて、価千金の特等席に贅沢極まりない空間です。とても爽快な気分になりました。

「曽祖母の童話の読み聞かせ」
渡邊 駿
(寒河江市立陵西中学校 2年)

 ひいおばあさんの温かいぬくもりがお子さんに伝わり安心して抱かれ、真剣に絵本を食い入るように見ています。ほほえましい家庭の一場面がひいおばあさんの何とも幸せな表情から想像されます。観ている私もほっこりします。

「旅行の思い出」
松田 心愛
(西川町立西川中学校 3年)

 堂々とした大きな建物が目をひきます。色と形がそれぞれ響き合う赤レンガの壁、緑の屋根と煙突、刈り込まれた木々と広い庭がどこか外国風な感じで、クラシックの音楽が聞こえてきそうで、気持ち良い作品となっています。

「6畳の中に」
服部 花奈
(中山町立中山中学校 2年)

 床の間にいろいろな物が置かれています。花、額縁、鏡台、達磨など。手前にはガラス瓶があり、なかなか可愛く描かれています。この部屋にいると、とても幸せを感じ楽しくなるのでしょうネ。和気あいあいの家族の顔が浮かんできます。

「飯豊の春」
船山 優希
(飯豊町立飯豊中学校 1年)

 長かった冬が終わり、草木はそれぞれ違う緑色に変わっていき、人々は畑に出て働き春の喜びがあふれています。赤いトラクターのエンジン音が山々にこだまし、絵に躍動感を与えていて良いポイントになっています。飯豊って良いところですネ。

「田園と散居集落」
渡部 心響
(飯豊町立飯豊中学校 3年)

 遠い残雪の山々近くの霞んだ山々、村の明るい木、暗い木、田園の草の色など、大人顔負けの美しい色使いです。農家の働く人も絵に良いポイントを与えています。昔ながらの家や新しい家も見え、輝く陽光と春の日の一日を歌いあげた風景画となりました。

小学生の部

「シーグラスと夕日」
梅津 ありさ
(酒田市立亀ヶ崎小学校 3年)

 シーグラスはどこかの水族館で買ってきたのかな?車のドアミラーも見えるから、水族館の帰りに車の中から見えた夕日を、買ったばかりのシーグラスで透かしてみたのでしょうね。夕日もきれいだしシーグラスの色と夕日の色がぼんやり混ざっている感じも良く描けています。きれいな夕日にまず感動し、それをシーグラスで透かしてみた色にさらに感動したことが良くわかる絵です。

「そらとぶむし」
小松 蒼空
(酒田市宮野浦小学校 1年)

 たくさんの虫たちがていねいに描かれていることから、作者は虫が大好きだということが良くわかります。1番好きなクワガタムシを絵の中心に大きく描いたことで、絵全体がまとまりましたね。そして、きれいな青空にすべての虫たちを飛ばせたことで、見る人がすがすがしい気持になれる作品になりました。丸くふわふわした感じの雲も、虫たちの友だちのように見えます。

「ほっぺみたいなサクランボ」
垂石 千理愛
(寒河江市立柴橋小学校 3年)

 作者の家はサクランボ農家でしょうか?真っ赤に色づいたサクランボはよく宝石にたとえられますが、「ほっぺみたい」というたとえは初めて聞きました。きれいなサクランボがたくさんなっているようすがよく描かれています。左下の方に黄色いお皿かテーブルに大きくサクランボが描かれているところが、絵全体のポイントになっていますね。

「ラッキーキャット」
後藤 かがり
(飯豊町立添川小学校 4年)

 この猫の名前が「ラッキー」なのか、この猫を飼ってから良いことがたくさんあったのか、そんなことをいろいろ想像してしまいます。自宅の庭で猫と一緒に写真を撮ってもらい、それをもとに絵を描いたのかもしれませんが、こういう写真の使い方は良いですね。ほほえんでいる作者の顔や猫の後ろ足の肉球もていねいに描かれています。

「楽しいターザンロープ」
奥山 優恵
(庄内町立余目第二小学校 5年)

 マスクをかけて遊ばなければならないなんて、今年は本当に新型コロナのために大変ですね。でも、ターザンロープは外だから大きな声を出して遊んでも良いはずです。この絵ではマスクをしているから声を出しているかどうかわかりませんが、目の感じが誰かを気にしているように見えるから、まわりに気をつかいながら声を出しているのかな?木の葉っぱが舞っているのでけっこうスピードが出ている感じがわかります。

「私達の教室」
坂田 絢香
(庄内町立余目第二小学校 6年)

 6年生だからこの教室が小学校生活の最後に生活する場所ですね。視点が低いので黒板や窓だけでなく天井も描かれていますね。今年は学校も春から新型コロナで大変だったから、「作者はどんな思いで机やいすたちを描いたんだろう」、なんてしみじみ見てしまう作品です。6年生らしく正確に教室のようすを描いているので、去年までとは違う生活を冷静な目で見ている作者を想像します。

「にじいろのおひさま きれいでしょ」
大越 里桜
(山形市立南沼原小学校 1年)

 コロナのせいでとくに小学1年生は春から大変だったと思います。そんな中、こんなにのびのびと絵を描けるなんてすばらしいですね。大人だって何をするにもえんりょがちになってしまう毎日ですから、こういう作品を見るとすがすがしくなります。「きもちのよい絵を見せてくれてありがとう」と言いたくなります。

「先生が使う職員げんかん」
白幡 莉衣子
(庄内町立余目第三小学校 5年)

 職員げんかんをこんなにていねいに描いてくれるなんて、きっとこの学校は先生と子供たちは仲が良いのでしょうね。玄関の奥行きもわかるし、掲示物の文字や窓から見える外の景色までしっかり描かれています。人工芝のような床の緑がきれいに描かれ、その中の赤いマットが絵全体を引きしめています。