○庄内町用地事務取扱要領

平成21年6月1日

訓令第12号

(趣旨)

第1条 本町が公共事業のために必要な土地等の取得等、これに伴う損失の補償その他これらに関係する事務の取扱いについては、庄内町公有財産の取得管理及び処分に関する規則(平成17年庄内町規則第41号。第22条において「規則」という。)及び別に定めのあるもののほか、この要領の定めるところによる。

(定義)

第2条 この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 土地等 土地、土地収用法(昭和26年法律第219号)第5条に規定する権利、同法第6条に規定する立木、建物その他土地に定着する物件及び同法第7条に規定する土石砂れきをいう。

(2) 土地等の取得等 前号に規定する土地、土地に定着する物件及び土石砂れきの取得又は使用並びに同号に規定する権利の消滅又は制限をいう。

(3) 土地等の権利者等 土地等の取得等に係る土地等に関して権利を有する者及び当該土地、当該権利の目的となっている土地又は当該土石砂れきの属する土地にある物件に関して権利を有する者をいう。

(4) 補償金 土地等の取得等に伴い町が土地等の権利者等に支払うべき一切の対価をいう。

(土地等の事前調査)

第3条 土地等の取得等を行う課(以下「事業課」という。)は、事業実施に要する土地等について、事業実施予定の前年度において、事前用地調書(様式第1号)及び事前物件調書(様式第2号)により土地等の権利者等を調査するものとする。

(土地等の取得等に係る期間の確保)

第4条 事業課は、工事の実施に当たっては、当該工事に関する土地等の取得等の難易に応じて必要と認められる十分な期間を設けるように配慮しなければならない。

(土地等の取得等が完了しない土地における工事の禁止)

第5条 事業課は、土地等の取得等が完了していない土地において工事を行ってはならない。ただし、次の各号のいずれにも該当し、かつ、あらかじめ町長の承認を得た場合は、この限りでない。

(1) 緊急に工事を行わなければ、公共の福祉に重大な支障を及ぼすおそれがあるとき。

(2) 当該年度内に、当該土地に係る土地等の権利者等の全員と適正な補償金額で土地等の取得等に関する契約を締結することができると認められ、かつ、当該土地等の権利者から起工承諾書(様式第3号)の提出を受けたとき。

(3) 第15条に規定する用地調書(様式第4号)及び物件調書(様式第5号)の確認が完了しているとき。

(説明会等)

第6条 事業課は、土地等の取得等を行おうとするときは、あらかじめ土地等の権利者等その他必要な者に対して説明会の開催、資料の配布等により、次に掲げる事項を説明し、事業の施行に関し協力を求めるものとする。

(1) 工事の目的及び計画の概要

(2) 工期及び施工方法

(3) 土地等の測量又は調査の方法

(4) 土地等の取得等に伴う損失補償の方法

(5) 土地等の取得等に伴う損失の補償に関して土地等の権利者等と行う交渉(以下「用地交渉」という。)の方法

(6) 前各号に掲げるもののほか、工事及び土地等に関し協力を得るために必要と認められる事項

(立入り及び立会い)

第7条 事業課は、土地等の取得等に当たり測量又は土地等の調査(以下この条及び第28条において「用地調査等」という。)のために、この要領に基づき土地、建物又は工作物に立ち入ろうとする場合には、当該土地、建物又は工作物の占有者の同意を得なければならない。

2 事業課は、用地調査等を行う場合には、土地等の権利者等及び利害関係を有する隣接地の権利者の立会いを得るとともに、当該土地等に関し知識を有する者から実情を調査するものとする。

(土地の登記記録等の調査)

第8条 事業課は、取得等しようとする土地に関し、次に掲げる事項を調査しなければならない。

(1) 不動産登記法(平成16年法律第123号)第14条の規定による地図に関すること。

(2) 土地の所在、地番、地目、地積並びに登記名義人の住所又は所在地(以下この条及び次条において「住所等」という。)及び氏名又は名称(以下この条及び次条において「氏名等」という。)に関すること。

(3) 共有地については、共有者の持分に関すること。

(4) 所有権以外の権利があるときは、権利の種類、順位番号及び内容、権利の始期及び存続期間並びに当該権利登記名義人の住所等及び氏名等に関すること。

(5) 仮登記又は予告登記があるときは、その内容に関すること。

(6) 前各号に掲げるもののほか、必要と認められる事項に関すること。

(建物の登記記録等の調査)

第9条 事業課は、建物に関し、次に掲げる事項を調査しなければならない。

(1) 建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積、登記原因及びその日付並びに登記名義人の住所等及び氏名等に関すること。

(2) 共有建物については、共有者の持分に関すること。

(3) 所有権以外の権利があるときは、権利の種類及び内容、権利の始期及び存続期間並びに当該権利登記名義人の住所等及び氏名等に関すること。

(4) 仮登記又は予告登記があるときは、その内容に関すること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、必要と認められる事項に関すること。

(立木その他の物件等の調査)

第10条 事業課は、前2条に規定するもののほか、立木その他土地に定着する物件の種類及び数量、土石砂れきの種類及び数量その他補償に当たって必要な事項について調査し、できる限り正確に把握しなければならない。

(身分関係の調査)

第11条 前条により調査した土地所有者又は関係人の登記名義については、更に次に掲げる事項を調査し、かつ、その変動を常に把握しなければならない。

(1) 個人については、登記名義人の現住所及び氏名並びに死亡の場合の相続関係、法定相続人の住所及び氏名に関すること。

(2) 法人については、法人の名称及び主たる事務所の所在地、代表者の住所及び氏名並びに合併及び解散の状況に関すること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、必要と認められる事項に関すること。

(測量)

第12条 事業課は、筆界点に境界標を布設し、次に掲げる測量を行わなければならない。

(1) 土地の所有区分の境界及び用途別の境界

(2) 各筆の周辺の長さ

(3) 残地となる土地の筆界点及び周辺の長さ

(4) 前3号に掲げるもののほか、参考となる地形地物等

(作図)

第13条 事業課は、前条により測量した成果に基づき、用地実測図原図を作成するものとする。ただし、筆数が少数のときは、直接地積測量図に記載することができる。

2 求積は、原則として座標法により求めるものとする。

(地積測量図)

第14条 地積測量図は、前条の用地実測図原図又は第8条に規定する調査の成果に基づき作成するものとする。

2 地積測量図が地籍図等の縮尺と同一以外の場合においては、地形図を作成するものとし、表示の登記の場合には、土地所在図を併せて作成するものとする。

(調書の作成)

第15条 事業課は、第8条から第11条までの規定による調査に基づき遅滞なく用地調書及び物件調書を作成し、当該土地等の権利者等の確認を求めなければならない。

(台帳の作成)

第16条 事業課は、前条に規定する調書の作成が終わったときは、遅滞なく土地等の権利者等の各人について工事箇所ごとに、土地等取得関係台帳(様式第6号)を作成しなければならない。

(用地交渉)

第17条 用地交渉は、誠意をもって行い、速やかに適正な補償金額で合意できるよう努めなければならない。

2 事業課は、用地交渉の公正を確保するとともに、紛争の発生を防ぐため、2人以上の職員を用地交渉に当たらせるものとする。

3 土地等の権利者等に対する補償金額の提示(変更の場合を含む。)は、町長の決裁を得た後に行わなければならない。

(用地交渉日誌)

第18条 事業課は、用地交渉日誌(様式第7号)を備え用地交渉の経過その他必要と認められる事項を記録しなければならない。

(代理人等との交渉)

第19条 事業課は、土地等の権利者等の代理人と交渉するときは、次に掲げる書類の提出を求め、当該代理人が代理権を有していることを確認しなければならない。この場合において、任意代理人と次条に規定する契約書を締結するときは、第2号に規定する書類を当該契約書に添付するものとする。

(1) 法定代理人 戸籍謄本その他資格等を証する書面

(2) 任意代理人 委任状(様式第8号)若しくは代理人契約書等代理権を証する書面並びに土地等の権利者等及び代理人の印鑑証明書

2 事業課は、各人別に交渉を行うことが困難であると認められるときは、前項第2号に規定する委任状の提出を求めたうえ、土地等の権利者等の代表者と交渉することができる。

(契約の締結)

第20条 事業課は、用地交渉が合意した土地等の権利者等について、遅滞なく次に掲げる契約書を作成し、当該土地等の権利者等の署名(法人にあっては記名によることができる。)及び押印を受けるものとする。

(1) 土地売買に関する契約書(様式第9号様式第10号の1、又は様式第10号の2)

(2) 権利消滅に関する契約書(様式第11号)

(3) 物件移転及び損失補償に関する契約書(様式第12号)

(4) 損失補償契約書(様式第13号)

2 事業課は、土地等の権利者等と契約を締結する場合には、同一人に係る土地の取得又は使用の契約、土地に関する所有権以外の権利の取得又は消滅に関する契約及び当該土地に存する建物等の物件の移転その他通常生ずる損失の補償に関する契約とを併せて締結するものとする。

3 事業課は、契約相手方の権利義務、補償金の支払条件等契約の内容について十分説明し、誤解が生じないよう努めなければならない。

(契約時の提出書類等)

第21条 事業課は、前条の規定により契約を締結したときは、当該土地等の権利者等ごとに、それぞれ次に掲げる登記手続に必要とする書類の提出を求めなければならない。

(1) 登記原因証明情報

(2) 登記承諾書

(3) 印鑑証明書

(4) 住民票(法人の場合は資格証明書)

(5) 所有権登記名義人の法定相続人が、当該土地に対する権利を有していないときは、次のいずれかの書類

 相続放棄申述書の謄本

 相続分のないことを証明する書類

 遺産分割協議書

 家庭裁判所の遺産分割審判書の謄本

(6) 次条に規定する抵当権等の権利が設定されている土地については、抵当権等の抹消又は消滅の承諾書

2 登記に必要な住民票(法人の場合は資格証明書)又は戸籍(除籍及び改製原戸籍を含む。)の事項証明書(法人の場合は登記事項証明書)等は、公用請求により取得することができるものとする。

3 第1項各号に掲げる書類は、特に理由がある場合のほか、一括して提出を求めなければならない。

(抵当権等の抹消)

第22条 事業課は、規則第8条の規定により、取得しようとする土地等に抵当権、質権又は先取特権等の所有権以外の権利が設定されている場合には、速やかに当該土地等の権利者等にこれを抹消させる等必要な措置を講じなければならない。

(借地権割合の確認)

第23条 事業課は、取得しようとする土地に借地権が設定されている場合には、借地権割合の紛争防止のため、土地の所有者及び借地権者から借地権についての届出書(様式第14号)を提出させるものとする。

2 前項の場合において、借地権割合がある場合には、借地権者と権利消滅に関する契約を締結するものとする。

(契約履行の確保)

第24条 事業課は、土地等の権利者等が土地等の取得等に関する契約に定められた履行期限までに当該契約の内容となっている義務の履行を完了しない場合には、履行期限を付して直ちに催告するとともに、必要な措置を講じなければならない。

(契約期限の変更)

第25条 事業課は、予測し難い事由により、土地売買契約等における売買物件の引渡期限又は物件移転及び損失補償に関する契約における移転物件の移転期限を変更する必要が生じた場合には、次に掲げる契約書を作成し、契約の変更を行うものとする。

(1) 土地売買契約の一部を変更する契約書(様式第15号)

(2) 物件移転及び損失補償に関する契約の一部を変更する契約書(様式第16号)

(寄附)

第26条 事業課は、土地等を土地等の権利者等から寄附により取得する場合には、寄附申込書(様式第17号)に次に掲げる書類の提出を求め、町長の決裁を受け、採納を決定したときは、寄附受領書(様式第18号)を当該権利者等に送付するものとする。

(1) 登記簿謄本

(2) 登記原因証明情報

(3) 登記承諾書

(4) 印鑑証明書

(5) 位置図、字切図及び求積図

(補償工事)

第27条 事業課は、被補償者に対し、補償金の支払に替えて物件の移転等の工事の代行(以下この条において「補償工事」という。)をする必要があると認められる場合には、あらかじめ町長の承認を得て、被補償者と補償工事委託契約書(様式第19号)を締結し、補償工事を行うことができる。

2 事業課は、補償工事及び検査が完了したときは、被補償者及び関係人立会いのうえ、工事目的物引渡書(様式第20号)により引渡し、工事目的物受領書(様式第21号)を徴するものとする。

(事前協議)

第28条 事業課は、用地調査等が終了したときは、速やかに当該事業が租税特別措置法(昭和32年法律第26号)に定める収用等の場合の課税の特例等が適用される事業であるかどうかについて、事業に関する説明書(様式第22号)により、税務署長と協議しなければならない。

(証明書の交付)

第29条 事業課は、土地等の権利者等と第20条に規定する契約を締結したときは、租税特別措置法の定めるところにより、公共事業用資産の買取り等の証明書及び収用証明書(様式第23号)を土地等の権利者等に交付し、併せて不動産等の譲受けの対価の支払調書を税務署長に提出しなければならない。

(登記)

第30条 事業課は、第20条に規定する契約を締結した場合において、所有権移転の登記を必要とするときは、庄内町登記事務処理要領(平成19年庄内町訓令第23号。第32条において「登記要領」という。)の定めるところにより、遅滞なく所有権移転の登記を行わなければならない。

(未登記用地に係る免税扱いの手続き)

第31条 事業課は、土地の取得に係る契約を締結した日の属する年の12月末日現在において、当該土地に係る所有権移転の登記が完了していない場合には、地方税法(昭和25年法律第226号)第348条第2項第1号の規定により、税務担当課長に公共用に供している登記未処理に係る買収(寄附)地に対する非課税依頼書(様式第24号)を提出し、登記が完了していない土地所有者に対する免税の手続をとらなければならない。

(補償金の支払)

第32条 事業課は、支払い条件等を明示した契約にあっては当該条件が満たされたことを、前条の規定による所有権移転の登記を必要とする契約にあっては登記要領第6条に規定する土地登記完了通知書により所有権移転の登記が完了したことを確認し、庄内町財務規則(平成17年庄内町規則第51号)第65条第2項第10号の規定により、補償金を土地等の権利者等に支払うものとする。

(取得した土地の管理)

第33条 事業課は、土地等の取得等が完了したときは、遅滞なく取得等した土地とこれに隣接する土地との境界を明示するため、境界杭又は必要に応じて垣、柵その他の工作物を設置する等の措置を講ずることにより、取得等した土地の適正な管理を図らなければならない。

2 事業課は、取得等した土地を不法に占有するものがある場合には、遅滞なく書面をもって土地の明渡しを催告するとともに、土地保全のため必要な措置を講じなければならない。

(その他)

第34条 この要領に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。

この要領は、公布の日から施行する。

(平成28年11月25日訓令第18号)

この要領は、公布の日から施行する。

(令和2年3月31日訓令第10号)

この要領は、令和2年4月1日から施行する。

様式 略

庄内町用地事務取扱要領

平成21年6月1日 訓令第12号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第10編 設/第1章 土木・建築
沿革情報
平成21年6月1日 訓令第12号
平成28年11月25日 訓令第18号
令和2年3月31日 訓令第10号